Focus on working with pleats
「プリーツ加工」
毎シーズン、定番のアコーディオンスカートをはじめ、様々な生地やデザインで使用されるプリーツ加工。
創業50年以上の技術と経験が詰め込まれた杉本プリーツ。
その繊細かつ巧みな工程に注目した。
高尾山のふもとにある杉本プリーツの工房への道のりは、
まるでジブリの世界へ迷い込んだかのような景色が広がっていた。
紀元前3000年頃の古代エジプトの時代がプリーツの最古といわれ、
「雲間から見える太陽光に似ていることから神の象徴である」と高貴な人々だけが着用を許されたプリーツの衣服。
その美しさを産み出す、古代からほとんど変わることのない加工のテクニックを見せてもらった。
-ハンド加工とマシン加工
プリーツの形状は、サイド、ボックス、アコーディオンなど様々な種類がある。
加工方法として、型紙(カルトン)の間に生地を挟んで折り込みセットするハンドプリーツ加工と、専用の機械でひだを折りながら熱ローラーでセットするマシンプリーツ加工に分かれる。
それぞれの特性を活かした加工方法だが、どちらも長年の技術や経験、つまりは人の手を介さなければプリーツの美しさは産まれない。
型紙に生地を挟み込んでゆくそのリズムが心地よく、美しい。
22AWシーズンはフラワープリントにランダムなプリーツを施すことで、より複雑な表情とシルエットに動きを出した。1枚ずつ手作業で施されたプリーツ加工のパーツを組み合わせることで完成されたアイテム。
定番のプリーツスカートも手作業でしか加工できないアコーディオンプリーツが着用した際の美しい動きを作り出している。(画像左)
22AWシーズンのラップスカートは、2種類の異なる幅のアコーディオンプリーツを施した生地を組み合わせた。生地に新たな動きが生まれ、動くたびに様々な表情を魅せるデザインが生まれた。(画像右)
-型紙
工場内に何百もあるというプリーツの型紙は、作りたい幅や雰囲気を表現するために一から起こすことも度々あるのだという。
直線プリーツの凹凸を出す、寝かせる、のほかにもMovie内で見られる折り紙のような複雑な模様もプリーツ加工の一種である。
「本当に折り紙のようですよ」と楽しそうに語る職人さんの手元からはその技術とともに、熱意と力強さを感じた。