Focus on woodworker Kazuto Yoshikawa
「木工作家・吉川和人」
08sircusのアトリエに週末だけオープンするショップ、08book。
デザイナー森下が共鳴した作家たちのクリエーションに注目していきます。
その美しいモノづくりを探る、
第一回目のゲストは
woodworker 吉川和人氏です。
-作品から伝わる美意識
木は朽ちるという美しい可能性を持っています。
それを美しいと感じるのは、われわれ自身も生の盛りを経て、
やがて老いて朽ちていくことを知っているからかもしれません。
(中略)
わたしにとっての木は、ただの材料としての質量ではなく、
ガサガサした皮や青臭い匂いを持つ、生きものとしての樹のようです。
自分が作るものにもその命の気配や生々しい官能性を映しこめたらと思っています。
吉川氏が自身のHPで語る、作品作りへの想い。
08bookが大切に伝えていきたい美意識を感じ、作品が産まれる場所であり、昨年11月末に引越ししたばかりで片付けもままならないと吉川氏が笑う、新しいアトリエを森下が訪ね、その空間で発せられる想いを聞いた。
-プロフィールに書かれることのない、吉川氏の想い
「まったく同じではないですよ」と話しながら作業を進めていく吉川氏。
自身の手だけが覚えているその感覚は、丁寧にそして揺るぎないスピードで行われていく。
おなじみのバターナイフやハンガーの制作工程を撮影させてもらった。
制作工程で異なる道具を使いながら削られていく、それぞれの音が天井の高いアトリエに響き、心地よい。
吉川氏は画家か映画監督になりたかったのだと言う。
そこから美術と道具の間にある家具に惹かれ、立体、プロポーションがきれいなものが空間にあって欲しいと願い、そして生活の中に美しいものが欲しい人間心理に対しての興味から始まった木工作家としての生活。
彫刻家ではコンスタンティン・ブランクーシ
画家ではフランシス・ベーコン
が好きだというのも納得だ。
「形は素材を超えない」
オブジェの制限のなさも好きだけど、素材や質感をそれぞれに活かし、道具の制限を最大限に活かした作品が作れると、とても嬉しい。
そう語る吉川氏の作業風景は、音、空気、匂いすべてにおいて引き込まれ、それが吉川氏そのものなのだと感じた。
-SNSとの出逢い
木工作家としての活動を始めた頃から盛り上がりをみせたインスタグラムは、吉川氏にとってその世界観を表現するためにとてもフィットし、大事なツールとなった。
もともと構図を考えたり、空間演出も好きだというそのインスタグラムの投稿には吉川氏の世界観が存分に表現されている。
「性格的に合ったんでしょうね」とほほ笑む吉川氏の発信に、これからも注目したい。
吉川和人
1976年生まれ 福島県出身
慶応義塾大学商学部卒業後、株式会社カッシーナ・イクスシーにて勤務。
在職中に一年間の育児休暇を取得と同時に渡仏。
2012年に同社を退社し、岐阜県立森林文化アカデミーにて
木工技術の基礎と日本の森林文化を学ぶ。
2017年株式会社ウォールデンウッズを設立。
現在は東京で制作活動中。
吉川氏の近況は今回のインタビューでも話題に上がったInstagram @kazutoyoshikawa からぜひご覧ください。
08bookではバターナイフ、スプーン、ミラーなどの作品をご覧いただくことが出来ます。
東京都世田谷区羽根木1-21-12 #Q
open 土曜・日曜 12:00 - 18:00
(在庫状況についてはショップまでお問い合わせください。hello@08book.jp)