
2025 spring and summer collection
ニュートラルの中に生まれる強さは個を纏ってゆく
前シーズンに引き続き、ニュートラル (中立的、中間) というキーワードを掲げたコレクションでは、相反する要素をあえて曖昧にし、中立にすることで、新たな価値観を提案。
静と動、鋭さと柔らかさ、曲線と直線、男性らしさと女性らしさ、若さと大人っぽさ、強さと弱さ。
これらの要素を融合させながら08sircusの世界観を表現した。

今シーズンは、シアー、ミリタリー、エレガンスの3つの軸を中心に展開。素材やシルエットは、メンズとウィメンズの要素を融合させ、着る人の個性を引き立てる。
コレクションの始まりを飾るのは、静かでありながら力強さを感じさせるウールナイロンのオーバーコート。
リネンの太番手糸を手編みで仕上げたマクラメは、アートピースのような存在感を放ち、着る人の内に秘めた強さを引き出す。

柔らかくエレガントなスリーブレスコートや、解放感のあるトリアセテートのジャンプスーツ、リネンニットのタンクトップにウールのパラシュートパンツを合わせたスタイルなど、黒を基調に多様な素材が織りなす表情を見せる。

やがて、空気を孕んだようなフォルムとシアー素材を中心としたLOOKへと流れる。タックギャザーで繊細なボリュームを生み出したワンピースには、透明感のあるシアープリーツを重ね、動きにコントラストを加える。

ヴィスコースオーガンジーの3wayレイヤードコートは迫力のあるシルエット。同素材のジャケットは程よい抜け感を持ち、ティアードスカートと合わせることでバランスを取る。一見フェミニンに見える素材も、スタイリングとバランスによって力強さを引き立てている。


LOOKの中でも、MA-1、カーゴスカート、パラシュートパンツといったミリタリー要素が目を引く。シアー素材やシワ加工を加えることで、ヴィンテージ感をエレガントに昇華させた。MA-1は袖を取り外してスリーブレスとしても着用できる二面性を持ち、ブランドらしいひねりが効いた一着。


コレクション後半では、存在感のある柄がアクセントを加える。野生的でヴィンテージ感のあるモアレ柄のサテンや、繊細でエレガントなカットジャガードのオーガンジー、京都の職人によるカゴ抜染を施したデニムが登場。様々なテクスチャーと柄を組み合わせ、コレクションに彩りを添える。そして、レザーやファスナーを多用したシャープなブラックスタイルで締めくくる。



コレクション全体を通して、ニュートラルなムードの中、着着る人自身の強さを自然と引き出し、個性を宿らせてゆく。そんな思いが今シーズンの提案となる。
